民主主義の仕組みそのものであり、「地方自治は民主主義の学校である」といわれるゆえんでもある。
住民と議会の接点を増やせ日本の地方自治は現行憲法上、首長と議会の二元代表制を採っている。
ここが議院内閣制である国政との相違点で、地方の場合は、首長と議員がいずれも住民の直接選挙で選ばれ、それぞれが民意を代表し、議会の議場で両者が議論をして物事を決めていく仕組みである。
主権者たる住民は毎日の生活に忙しい。
そこで自分の身代りとして首長を選び、予算案や条例案を作成させ、自分の身代りの議員にその内容をチェックさせて、(1)夕張市は2006年6月、600億円を超える借金を隠していたことを明らかにした。
「財政再建団体」として、国の管理下で20年計画の財政再建に取り組んでいる。
石炭で栄え、1960年の人口はピークの11万7000人だったが、エネルギーが石油に転換されて閉山が相次ぎ、現在は1万3000人を割った。
観光に活路を求め、スキー場やめろん城、遊園地などの施設建設に借金を重ねたが、観光客は長続きしなかった。
膨大な借金に襲本は「うすうす気づいてはいたが」追及せず、政策転換を求めることもなかった。
場合によって否決または修正を加えながら執行させるのである。
ところが、全国でみると首長提出の議案は97〜98%が無修正で可決されている。
首長やその部下であるプロの職員たちが作成した議案だから間違いないと思いたいが、現実はそんなに甘くはない。
議会が本来の役割を果たしていないだけのことである。
そこで首長や議員たちがさぼっている場合、切り札として住民によるリコール(解職)の制度が認められている。
実はこのリコール制の有無が国政との最大の相違点と言ってもよい。
国会を解散できるのは内閣総理大臣ただ一人であるのに対して、地方議会は有権者が一定割合の署名を集めれば可能である。
首長や議員個人もクビにできる。
それだけ住民の存在が強いのである。
せっかくこうした制度があるのだから、もっと有効に活用したい。
首長や議員に緊張感を持たせなければならない。
言い換えれば、地方では間接民主制としての二元代表制がしっかりと機能することが期待されながらも、住民が「問題あり」と思えば、住民の直接参加の道を開くことによって制度がうまく回るような仕組みとなっているのである。
リコールのほか、条例の制定や改廃の請求も行うことが可能である。
「住民が主役」とは、このことを指し、すべての場面で住民参加の機会が保障されていることが重要なポイントとなる。
最近は、首長が住民との協働を掲げ、直接住民の意見を聞いたり、逆に政策を説明したりするなどの機会を持つことが多くなっている。
政策決定過程に住民を参加させる場合も見られる。
ところが、議会側は議員個人が自分たちの後援者と接する場合を別にすれば、議会として直接住民との接点を持つように努めている議会は、ほんの少数にとどまっている。
この点は早急に改善されるべきである。
例えば、毎回の議会開催前に市民から意見を聞き、それに基づいて開会中に議員同士の議論を深め、必要な場合には議員提案条例を制定し、議会終了後にはその結果を市民に報告する場を設けるといった努力を、議会として真撃に行っていくべきであろう。
「住民に身近な政府」をいかに質の高いものにしていくか。
首長や議会側は、常に住民に情報を公開するとともに、住民の政治参画機会の拡大に努め、住民側も首長任せ、議会任せにはせず、いざという時には仲間とともに行動を起こすことによって必要な責務を果たす。
これが地方分権の真髄であり、また、成功させる究極の条件ということになる。
地方分権の議論はこれまで、いかに首長の権限を強めるかが中心であった。
国土交通省や農林水産省など、中央府省に多くの権限やお金が集まっており、それらを地方に移して、知事や市長が自由な判断の下に使えるようにするために、制度をどう変えるか、すなわち「霞が閑改革」が焦点であった。
誰しも自分の持つ権限やお金を他人に渡すのは拒否するものであり、分権を阻む抵抗勢力は中央府省の官僚であると言われてきた。
しかし、これは、全体から見るとほんのちっぽけなことでしかない。
首長たちから見れば重要なことであっても、例えば、農家から見れば、農地法に基づく農地の転用の許可を行うのが大臣であれ知事であれ、役所が行うことに変りはない。
行政権の範囲の中での国と地方の権限の奪い合いに過ぎないのである。
地方分権を進めるためには、行政権だけでなく立法権の分権も考えなければいけない。
国会で法律で決まることを、今後は地方議会で条例で決められるようにすることが必要となる。
これは条例制定権の拡大ということであるが、これには国会議員の抵抗も予想される。
国会で扱っている事柄の多くを地方議会に移すこと、つまり「永田町改革」につながるからだ。
改革が進めば、「700人を超える国会議員の定数を縮滅せよ」という声も出てこよう。
したがって、今後は中央府省ではなく、国会議員が分権の最大の抵抗勢力となる可能性もある。
国会議員はこのことを理解しているのであろうか。
仕事の多くを地方議会に渡す気概と覚悟は持ち合わせているのであろうか。
上からの地域主権にしないために急速に進む少子高齢化の中で、今後、わが国は日本型の福祉国家を構築しなければならないが、そのためには、地域のコミュニティの力を生かしながら、全国画一ではなく、きめの細かいサービスを提供する知恵が求められる。
また、グローバル化する社会の中で、地域が経済的にも自立して生き残るためには、例えば、衰退の一途をたどる農業を輸出産業として切り替える知恵が必要である。
この場合にも、地域ごとに異なる気候や土壌を生かした、全国一律ではない農業の振興策を考えなければならない。
これらに対して、正解にたどり着くための近道は、恐らくないだろう。
地域での数々の実践例から経験値を高め、成功に導くしかないのではないか。
国がモデルを示してそれに各地が従うというこれまでのやり方は、そのほとんどが失敗してきたのだから。
政府は「地域主権は一丁目一番地」とくり返し表明しているが、それを実現する「地域主権戦略の工程表」(いわゆる「原口プラン」)には、住民や地域の姿がどこにも出てこない。
「霞が関改革」はあっても、「永田町改革」の覚悟は見えてこない。
このまま国会議員や首長たちに都合のよい、上から目線の「地域主権」改革となることを危供するとともに、そうならないために、住民も過度に行政に依存した公共事業一辺倒のやり方を改め、住民が主役となった新しい地域づくりの成果を生み出していかなければならなそれでは、こうした点について、かつての「闘う知事会」でお互いに議論しあってきた片山善博さんと、とことん掘り下げてみたい。
2003年、全国知事会長に就任した梶原拓・岐阜県知事(当時)が「国と闘う知事芦を掲げた。
三位一体改革では小泉首相(当時)から要請を受け、鋸年8月、総額3・2兆円の国の補助金を削減する案をまとめ、国と対等に協議するテーブルについた。
とことん対談「しっかりしろ!地域主権」地方分権というテーマに対して、これまで市民の関心がいまひとつ盛り上がらなかったのはなぜでしょう。
「地方分権をすると、どんないいことがあるんですか」というのは、地方に講演に行くとよく聞かれる質問ですが、結局、その意義がまだ伝わっていない、ということなんでしょうね。
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